シリコンスタジオ、オリエンタル白石に対しデジタルツインによるVRシステムを開発・提供へ!

こんにちは!IoT研究所の見習い研究員Chisatoです。
本日のtopicsは、シリコンスタジオが開発したデジタルツインによるVRシステムをご紹介します。

エンターテインメント業界を中心に、自動車、映像、建築など、さまざまな業界向けにデジタルコンテンツ関連ビジネスを展開するシリコンスタジオ株式会社は、オリエンタル白石株式会社に対し、ニューマチックケーソン工法における作業室内の様子をデジタルツインによりリアルタイムCGで再現し、遠隔で工事状況を測定、確認できるVRシステムを開発、提供しました。
デジタルツインとは、現実空間に実在している物体や環境に関する情報を収集し、仮想空間に再現する技術です。

全体像

シリコンスタジオ社事業内容

シリコンスタジオ社は、ゲームや映像制作スタジオ向けに加え、自動車、映像、建築など、さまざまな業界向けに3DCG技術等を提供する開発推進・支援事業と、クリエイター職の派遣・紹介に特化した人材事業の2つの事業を展開しています。
企画、技術、人材、運営など、ゲーム企業が抱えるすべての課題をワンストップで解決できること、および、ゲーム業界で培った3DCG技術等を他業種にも展開できます。
コンピューターグラフィックス(CG)は、無限の可能性を秘めています。
映像・エンターテインメント分野では表現の幅を拡げ、土木建築・自動車といった産業分野では、可視化やHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)などに活用されています。AI・ディープラーニングの分野においても、学習データとしての活用が進み、その成果が評価され始めています。また、5Gのような高速大容量で低遅延を実現するネットワーク環境やクラウドの活用は、ユーザーエクスペリエンス(UX)にさらなる変革をもたらすと予測されます。
シリコンスタジオは、自社開発による数々のミドルウェアを有し、CGの黎明期から今日に至るまでCG関連事業に取り組み、技術力、表現力、発想力の研鑽を積み重ねてきました。それら3つの力を高い次元で融合させ、CGが持つ可能性を最大限に発揮させられることが強みです。

VRシステム開発背景

オリエンタル白石が手掛けるニューマチックケーソン工法は、橋梁基礎や建築物の基礎、地下鉄や道路トンネルの本体構造物などで幅広く採用されている工法です。構造体下部に作業室を設け、作業室に圧縮空気を送り込んで地下水の浸入を防ぎ、地上と同じような地盤状態で掘削作業を行うことができます。
作業室には限られた人しか入ることができないため、オリエンタル白石では作業室内の掘削機をロボット化、ネットワーク化した自動運転システムにより、運転作業者数の低減を実現しました。しかしながら、日々の作業室内の地山の状態や掘削状況の計測確認については、作業室内で人力あるいは作業室内に設置されたカメラ映像により行う必要がある、という点に課題がありました。
このたび、シリコンスタジオ社がオリエンタル白石に対して開発、提供したVRシステムは、自動運転システムが出力するセンサーで計測された作業室内の三次元形状データなどを、ケーソン躯体やショベル、設備などの3Dモデルと併せ、リアルタイムCGによりVR化するものです。ユニティ・テクノロジーズ社が提供するゲームエンジン「Unity(ユニティ)」で開発し、地中掘削ロボットの稼働状況の監視、地盤のDEMデータの可視化、掘削地山形状に対応した作業室内体積計算等の自動化を実現しました。
数値標高モデル、Digital Elevation Model(DEM)とは、立体地図を生成する際の基礎データとして最もよく使われる、各種測量法により計測された地表面の地形のデジタル表現です。

このVRシステムにより、工事担当者は、長時間作業室内に入らずとも地上にいながら工事状況の計測作業が可能となり、業務効率が向上します。また、施主や見学者は、遠隔でも作業室内にいるように工事の様子を把握できるようになり、安全性も改善されます。

DEM(数値標高モデル)表示&各種計算自動化

リアルタイムCGにより工事状況を遠隔で計測、確認可能にすることで業務効率と安全性を向上する、シリコンスタジオ社のデジタルツインによるVRシステムに注目です!

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