就労トレーニング用VRソフトウェア「JobStudio」を提供開始へ!

こんにちは!IoT研究所の見習い研究員Chisatoです。
本日のtopicsは、就労トレーニング用VRソフトウェア「JobStudio」をご紹介します。

VRソフトウェアを開発する株式会社ビーライズは、障害者向け就労支援事業や子どもの可能性を拡げる教育事業を全国展開する株式会社LITALICOが運営する障害者のための就労移行支援事業所「LITALICOワークス」と就労トレーニング用VRソフトウェア「JobStudio(ジョブスタジオ)」を共同開発しました。

「JobStudio」開発背景

厚生労働省の調査によると、2019年における民間企業の障害者雇用者数は56万608人であり、対前年で4.8%アップするなど、年々障害のある方の雇用数は上がっています。また、2021年3月までに障害者雇用の法定雇用率が2.3%へ引き上げられるなど、今後さらに障害のある方の雇用は進むと想定されています。
また、障害特性によっては、事業所内の訓練と実習先での訓練の間にスモールステップがあることで、安心して実習に臨める方もいます。このような訓練生一人ひとりの特性や苦手に対して、VRを活用しながら普段は体験できないような環境をより簡単に、身近に実現し、楽しみながら体験することで、自分自身に合った働き方と可能性を拡げるサポートができると、JobStudioの開発に至りました。

「JobStudio」の特徴

就労移行支援事業でVRを活用し、バーチャル空間内で実際に体を動かしながら職業トレーニングを行うのは、前例のない初めての試みです。

能動的に学べる6DoF式 VR

フル3DのVR空間の中で、プレイヤーの歩く、しゃがむ、物を持つ、物を移動させる等の身体の動きがリアルに反映されます。受け身になりやすい動画視聴タイプのVR(3DoF VR)と比べ、本VRは自由度が高く、能動的に学ぶ事ができます。また、VRゴーグルはPC不要のスタンドアロン式に対応し、持ち運びも可能です。

実践形式でのリアルなトレーニングが可能

注文内容を確認して必要な商品を手に取り、お客様に渡すといった、プレイヤーの動きがそのまま仕事の成果になります。現実では難しかったVRによる実践形式での就労トレーニングは詳細な設定項目により自分にあったレベル、内容で何度でも行えます。

職業能力を客観的に評価

仕事のスピードや効率的な動き、物を持った際の丁寧な所作などは、これまでは評価者の主観でしか記録できませんでした。JobStudioは指示方法や視覚・聴覚から入ってくる情報量の調整といった環境設定の情報と、3次元的なプレイデータを記録し、個と環境の相互作用から成り立つ職業的な得意不得意を客観的なデータに基づいてフィードバックできる日本初のVRによる職業評価機能を実装しています。

「JobStudio(ジョブスタジオ)」のコンテンツについて

働く上で必要になる基本的な作業を再現した3つのモードで構成されています。

1、RPGショップ(武器屋)

シンプルなピッキング作業を行いながら、子供から大人までゲーム感覚でVRに楽しみながら慣れことができる、チュートリアル的な位置づけのモードです。

2、パフェ作り

複数の作業工程と複数の選択肢から、順序立てて遂行する作業。効率化するためには複数のレシピを把握することや順序立てて仕上げる必要があり、より高い作動記憶を求められるモードです。

3、空港仕分け作業

制限時間を意識し、優先順位をつけて行う作業。終わり時間から逆算して見通しを立てながら、効率よく作業する必要があり、より多くの認知機能を駆使して作業するモードです。

詳細な設定機能

・制限時間(1分~10分)
・作業難易度(初級、中級、上級)
初級:注文が客1人につき1個、など
中級:注文が客1人につき2個、など
上級:注文が客1人につき3個以上、など
・人の多さ(視覚刺激の大中小無の4選択)
・環境音の音量(聴覚刺激の大中小無の4選択)
・指示のバリエーション(言語(音声・文字)、記号、絵図のマッチング)
・作業台の高さ(立ち作業、座り作業:身体障害の方向け)
・作業プロンプト(正解、不正解時のヒント)

今後、全国の就労支援・福祉施設・医療機関・企業などへ提供開始される、就労トレーニング用VRソフトウェア「JobStudio」に注目です!

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