未来は目の前!最先端のARの活用事例10選

様々な産業に活用されるAR技術

ARとは、Augmented Realityの略語であり、日本語では「拡張現実」という意味です。現実の上にデジタルな情報を表示する技術のことを指します。
IoTとも親和性の高いARですが、現在では、様々な産業においてARの技術が活用されていますが、実際にどのような場面で活用されているかはなかなか思い浮かびませんよね。
そこで今回は、ARが活用されている10の実例をご紹介していきたいと思います。
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身近な事例

まずは身近なところから。すぐに試せるものもたくさんありますので、ダウンロードして試してみてください!

ARを利用したゲームアプリ(ポケモンGO)


ARという言葉を聞くと、「ポケモンGO」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
このアプリでは、カメラを通して現実にキャラクターを投影するというAR技術が使用されています。位置情報とAR技術を合わせて活用することで、「目の前にキャラクターが現れる」という臨場感をプレイヤーにもたらすことができます。
「ポケモンGO」の開発会社であるナイアンティック社は他にもARゲームを手掛けており、現実世界での陣取り合戦を楽しむ「Ingress(イングレス)」は世界的に大人気のゲームとなっています。

目的地の表示(「Yahoo!マップ」のiOS版)

カメラで写した実際の風景に、ルートなどのデジタル情報を重ねて表示します。
目的地の方向や距離などを立体的に確認することが出来るため、より緻密な道案内を可能にします。
ARナビゲーションアプリは増加しており、訪日観光客のナビゲーションなどにも活用されています。

スマートホーム(Smart AR Home)


「Smart AR Home」では、アプリをかざすと浮かび上がるバーチャルのスイッチを押すことで、実際のスイッチに触ることなく照明や空調をコントロールすることができます。
IoTやAIを駆使して快適な暮らしを実現する「スマートホーム」の実現に、AR技術が役立てられている例です。

メイクのシミュレーション(Modi Face)


「Modi Face」は、ARを使って自分の顔にメイクをしたようなフィルターを施すことが出来るアプリです。
リップやチークの色が自分に合うかどうかを、店頭でタッチアップすることなく試すことが出来るので、オンラインでの購入促進に役立ちます。
フィルターをかけた後の画像は保存することもできるので、色見本を提示する役割として店頭においても使用することができます。

家具配置のシミュレーション(IKEA Place)


大手家具販売メーカーのIKEAは、「IKEA Place」というサービスを提供しています。
自分の部屋をカメラで写し、そこに家具の画像を配置することで、実際に家具を置いたらどうなるかをシミュレーションすることが出来ます。
約2,000種類ものIKEA製品を配置することができ、光の当たり具合まで確認することができます。現物を見ることができないオンラ

疑似災害体験(Disaster Scope2)


2018年に発生した豪雨災害では、広範な地域で浸水被害が発生しました。
自分がいる場所の推移変化をリアルタイムで確認できるのが、「Disaster Scope2」です。
スマートフォンのカメラ映像に水面や流れてくるがれきを表示することが出来、水位設定や時間指定などの細かい設定も可能なため、よりリアリティのある疑似浸水体験を可能にしています。
起こりうる災害を目に見える形で体験することが出来るため、人々の防災意識の向上につながります。

産業での活用例

ARというと上記のような誰でも活用するものを思い浮かべがちですが、産業向けでも活用の幅が広がっています。
こちらのほうが実は活用が進んでおり、これからの働き方改革や人の省力化、より効率的な作業環境が作れると期待されています。

ARグラスによる危険回避(株式会社明電舎)

労働人口減少による技術継承ができないという問題や、老朽化した設備の増加によるメンテナンスの必要性から、ARを導入して作業の効率化、ノウハウの継承などを目指して取り組みをされています。
3Dデータも活用することから、PTC社のVuforia Studioを使用しています。
Vuforiaの記事はこちら。

また、明電舎ではARグラスによる危険回避も行っています。
ARグラスをかけて場内を歩くと、設置されたビーコンにグラスが反応して危険な個所を察知することができます。
AR技術を危険回避システムとして利用した例です。
初めて入る作業員や警備員が多い現場で、安全かつスムーズな受け入れ態勢を整えるために運用されています。

施行進捗の確認(株式会社小松製作所)


株式会社小松製作所は、株式会社カヤックと共同して「Kom Eye AR」を開発しました。
ステレオカメラで撮影した映像と連動して施行進捗の確認を行うことで、現場の安全や生産性の向上をはかります。
また、AR情報と位置情報を組み合わせることで現場の様々な情報を共有する「ランドレポート」など、小松製作所はAR技術を積極的に取り入れています。

ARでの業務サポート(東芝デジタルソリューションズ株式会社)


東芝デジタルソリューションズ株式会社は、現場作業をARでサポートする「Meister AR Suite」を提供しています。設備のオペレーションやメンテナンスなどの業務の効率化や、技術継承などをサポートします。

荷物積み込みの効率化(チャンギ国際空港)


シンガポールにあるチャンギ国際空港では、荷物の積み込み業務にスマートグラスを導入しています。
スマートグラスを装着して各コンテナにあるマーカーをスキャンすることで、搭載方法を確認することが出来ます。大型旅客機の場合には、1フライトあたり15分の積載時間短縮が期待できると言われています。

AR技術の発展は続く

ARが活用される10の例をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
AR技術は、ゲームや地図などのサービスの質をより向上させるというだけでなく、通常の業務の安全性や効率を高めるのにも有用です。今後も様々な分野での活用が予測されるAR技術から目が離せません。

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